So-net無料ブログ作成
検索選択

笑ふ女 [人間ドラマ]

「うふふふふふっ(笑)」
コイツ、また笑ってやがる。
「何を笑っとるかっ」
「あっ、すみませんすみませんすぐ修正します。でも・・・うふふふふふっ(笑)」
何がオカシイんだコイツ?
「別に俺はウケを狙ってんじゃない」
「ああ、ハイ、うふふふふふふっ(笑)」

よく笑う社員がいる。
でもよく忘れる。業務の中で、忘れちゃいけないポイントをよく忘れる。
何か仕事の指示どおりやってなくて注意すると、ハイスミマセンの後で必ず、「うふふふふっ(笑)」
しまいに自分で笑って自分の笑いが止まらなくなり「むはははははっ(笑)」
ジャン妻も言う。「また笑ってたでしょ彼女」
頷く俺。
「ここにアナタの印鑑押してないよって指摘しても、スミマセンの後でぶふふふふっって笑ってたからね」(ジャン妻)
「バカなんかアイツ?笑ってごまかしてるのかね」
「ボキャブラ不足じゃないの?わかりましたの後で、そのようにいたしますとか、何かあったらご連絡しますっていう言葉でしょうフツーは。」

先日も大事なポイントを見落として、危うくパート従業員の給与支給額が減るトコだった。
「誰々のこの日、有給申請あったの見落としただろ?」
「あっ・・・」
ちょっとだけ動揺してた。でも最初だけだった。
「わざとか?」
「わざとじゃないです。スミマセン完全に忘れてました。うふふふふっ(笑)」
そりゃぁ笑うってのは悪いことじゃない。健康にいいし、周囲を明るくするし、喜怒哀楽ん中では笑うのが一番、幸福だろう。
笑ってごまかしやがって。笑う場面じゃなかろう。俺は注意をしてるんだゼ。

実は私はこの女性が嫌いではない。親しい方ではある。裏でいろいろ相談受けたり、情報を提供されたりしてる。
内容によっては深刻までいかなくても真剣に聞かないといけないものもあったのだが、俺に話した後で必ず「うふふふふっ・・・」
俺が何か変な反応しようもんなら「ぶははははっ」笑いが止まらなくなるヘンな女性。
会話、注意の過程で、私もいつの間にか彼女のペースに巻き込まれ、こっちも噴出してしまって、内心、おまえなぁって思いながらも笑って許しちゃっているケースが多い。

社内販売みたいなのがあって、俺は彼女の支店にオーダーした。
一部、不足分があったので、
「足りない分、どーすればいいですか?」って電話があった。
「どーすればいいって・・・取り寄せてよ。急がないから」
この辺り、気が利かないんです。この女性は自分のデスクで自分で完結する範疇の作業はソツなくこなすが、そこから一歩踏み出して機転を利かすことが全くできないのだ。
それきり連絡が来ない。モノが入ったとも、いつ入るとも言ってこない。
そしたら、その日の営業日報に、私の名前と未収金いくらいくらって明記してあるじゃないか。
「・・・」
俺はムッとした。
店側の経理処理としては俺のオーダーは売掛金、未収金になるのでこの処理は正しい。だけどモノが入ったとも、いつ入るとも言ってこないでいきなり督促の請求書みたいに上げてきやがって。
「金は払うよ」
「あ、はい」
「その前にモノは入ったんかい?」
「ええっと、入りました」
「だったらその連絡を先によこさんかいっ」
「あっ、すみませんつい未収であげちゃいました。あげた後で、あっ、やっちゃったって気付いたんですけど。うふふふふっ(笑)」
また笑ってごまかしやがったな。
このうふふふふ(笑)が、うひひひひ(笑)にならないだけまだ品はあるが。。。

客先からのクレーム電話があった。
相手はうふふ女の店に先にクレームしたらしい。うふふ女に問いただしたら、
「えっ、もうそっちにクレームいきましたか?」
「来たよ。俺が受けた。それってすぐ俺に報告せいよ。そっちにクレームがいきますって。そしたらこっちは受ける立場で事前に対応の準備ができるんだしさ。」
「そんなにすぐ行くとは思わなかったんですぅ」
「相手も、まだ聞いてないんですか?ってな剣幕だったぞ」
「その方、最初、お店に来られたんです。そこで会社に言うワって言ってたんですけど。」
「それは何時頃?」
「ええっと、2時半です」
俺は呆れた。
「さてはまた忘れたな?」
「いえっ忘れてないです。ちょっとお店がバタバタしてたのもあって」
「今さっき俺がクレーム電話受けたのは18時半だぜ。もうそっちにクレームいきましたかったって、その間、4時間も空白があるじゃねぇか。」
「ハイ・・・スミマセン・・・うふふふふっ(笑)」
でももうクレームは受けて善処しますって答えたので事は済んではいる。注意した相手が笑ってばかりいると、こっちも噴出してしまい、またいつの間にか彼女のペースに踊らされているのに気付いた。でも、これは彼女の報告が遅れた、怠ったとみられても仕方がない。
「注意したら?」(ジャン妻)

俺は翌日、本人に会って注意した。
「昨夜のクレームは俺の方で対処したからいいけど、報告してる時って笑う場面じゃなかろうがよ。社内だから俺だからいいものを、対社外的な内容だったら君の笑いは相手に誤解されるぞ」
その時はさすがにかしこまって「ハイハイ」って神妙にしてましたね。
「俺らが来る前はこういう時どうしてたんだ?本社に報告せんかったんか?」
このうふふ女、前の体制にトラウマがあるらしく、ハンカチを出して目をぬぐいながら泣き出した。
俺らがこっちに来てから最初の個人面談でもシクシク泣いてましたね。私の黒いノートを見ると、「○○の涙の謎」って書いてあった。今でも何で泣いたか謎なんです。察するにこの会社に長くいて、過去にあった嫌なことを思い出したようです。
俺は困惑した。「また泣くぅ」
「・・・」
「もういい」
俺は席を立っちゃった。嫌なことがあっても辛くても辞めなかったのは、このうふふ女はシングルマザーだからなんだが、その辺りの詳しい事情は私もわからない。普段は笑ってばかりいるクセに、過去やその辺りに触れるとシクシクメソメソ泣き出すので閉口した俺は、今は触れないようにしている。
私がシングルマザー社員や、バツイチの女性社員に肩入れしがちなのは、生活がかかってる=仕事に集中する=それが会社の為になるという下心があってのことなのだが。

俺の大嫌いなお偉方が東京から来てこっちの会議に出席した後でスタッフとの懇親会になった時、俺はそのお偉方の近くになるのが嫌で嫌で、このうふふ女を連れて誰よりも先に宴会場へ走り、一番奥の席に引っ張って俺の前に座らせた。そうすると主賓が見えない位置になる。
「こんな奥の席でいいんですか?」
「いいんだ。手前だと注文とかとんなきゃなんねぇ。俺は今日の賓客が嫌いなんだよ。そいつが見えねぇように俺の前にいろ」って座らせた。
「うふっ(笑)」
何を笑っとるか。
後でジャン妻は、「アンタは彼女を使ってホスト役を放棄したわね?」
それもあるが、そのうふふふ女を賓客近くに座らせたところで何もしないぞアイツは。気が利かないんだから空いたグラスも下げないし、追加オーダーも取らないに決まってる。このうふふふ女性は自分のデスクに座って自分で完結する仕事にしか向いてない。
俺らが東京に引き上げた後で、誰に託そうかっていう候補に名前が挙がったのだがボツになった。

処理済~笑う女.jpg今日も彼女は笑っている。
ポカを指摘した後で、「君は血液型は何型だ?」
「O型に見られますがA型です」
「ホントにA型かよ?」
「ハイ多分。半分くらいは。うふふふふっ(笑)」
コメント(4) 

コメント 4

みみん

うふふふ女性、なかなか強烈ですね^^;
笑いだけならともかく、泣きも入るのは……いや〜大変ですな。
懐の深いジャンさんだから面白可笑しく受け入れてもらえている彼女、ジャンさんに感謝しないといけませんね@^^@

同じ女性、ましてや出来る女性から見ると、若干いらっとすることがあるかもですね(苦笑)。そこで泣くか〜?って^^;
異性だと憎めないのかも?と思いました。
まあ文章だけでは分からないので、実際に面と向かったら私もペースに巻き込まれるかも知れないですけど^^

しかし、ジャンさんの周囲には個性的な方々が集まりますね。
そういう人を寄せ付ける何かがあるのでしょうか?笑
夜の街灯の明かりのような怪しい光か何かが。。。
by みみん (2012-10-22 09:48) 

ナワ~ルド@峠おやじ

うちの部署にもいます。なんでもかんでも
「うふ」
という女。

容貌が幼稚園児みたいでスモックを着せた方が似合いそうな童顔です。
ですからしばらく放置していましたが、ミスしても
「うふ」
でしたので
「『すみません』とか『ごめんなさい』でしょ」
と根気よく言って聞かせていたら少しはましになってきました。
by ナワ~ルド@峠おやじ (2012-10-22 22:19) 

船山史家

みみんさんおはよございます。
こっちは雲一つない快晴です。昨夜も古典酒場で飲んで22時半にはグッスリ。今朝は朝焼けを拝みました。

昨日と今日はこのうふふ女とベッタリなんですよ。東京神奈川で駆使してた新システムを導入したので付きっきりで指導しています。この女は一日じゅう笑ってばかりいますが、覚えるのはなかなか早いです。
ミスったり、あれ?ってなって、俺に質問して、考え込む俺の顔を見て「ぶふふっ(笑)」って笑ったりするんですよ。

一児の母でシングルマザー。その辺りの事情はわかりません。またシクシクメソメソ泣かれると面倒なので。
「笑うか泣くかしかないのかねぇ」とのたまうジャン妻は、このうふふ女をイラッと見てる時がありますよ。
人間性、好き嫌い、いい人そうでない人っていうのは社内評価に値しないって言う持論のジャン妻は、上がって来る数字や帳票類を見て、仕事ができる社員かそうでない社員かっていう判断をするヤツなんです。
社内ではちょっと浮いてる感もあるんだな~。孤高?頑張ってる女性には違いないんですが、凡ミスが少なくないんですよ。報告し忘れもド忘れもしょっちゅうだし。

自分で言うのもなんですが、私は社内で人事に関しては懐はまぁまぁ浅くない方でして、それは対異性だから許してるってのはあるかもです。
個性的な人を寄せ付ける怪しい光があるんでしょうな。アタマじゃないですよ。
by 船山史家 (2012-10-24 07:09) 

船山史家

ナワさん、おはようございます。
そちらにもいます?うふ女?
私は気が付くとうふふ女のペースに巻き込まれ、「何を笑っとるか」って注意はするんですが、注意しながらこっちも噴出してしまい、二人で大笑いになっちゃったりするので、最初っから許してるんだと思います。
こんなこと言ったらまっこと失礼だけど、お世辞にも美人とはいえないかなぁ。ところが私、美人が笑ってごまかすと腹が立つんですよ。
美貌と笑顔を武器にしてやがるって興ざめするんです。美人で可愛くて、誰からも目をかけられる社員ってのは私の琴線に全く触れないんです。

うふふふ女は人と群れません。夏の大宴会で一人だけ孤立してました。私はそういうサインは見逃さないので、近寄って「よう」って声をかけた記憶があります。
どうも社内で過去に何かあったらしく、「トラウマがあるんです」って言ってました。また泣き出すんじゃねぇかと危惧しながら、「まさか俺にトラウマねぇだろうな」ってバカな質問をしたんです。そしたら「ありません。ぶふっ(笑)」
バカな質問した私は笑われましたよ。
by 船山史家 (2012-10-24 07:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。