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長寿の湯 倉渕温泉 [温泉]

「温泉に行きたい」(ジャン妻)
「・・・?」
「日帰り、立ち寄り湯とかないの?」(ジャン妻)
「・・・」
そりゃあるにはある。
「あまり遠くへ行かないで適当に」(ジャン妻)
そうはいってもある程度の距離はある。
温泉ランドみたいなのではなく、地味で古く、余りネットで知られていないのを選んだ。
倉淵渕温泉長寿の湯.jpg「ここにするの?」(ジャン妻)
「船山みてぇな近代的な建物を期待してたんじゃねぇだろうな」
倉渕温泉、長寿の湯
その名の通り、失礼な言いぐさだが、これ以上まだ長寿するんかいってな老人客がた~くさんいた。
1人500円。タオルは200円です。




倉渕温泉には二つの源泉がある。
内湯は黄色く見えた湯。リンスを薄めたような。それでいてサラっとしたような湯。
露天は無色透明の単純泉。
内湯1.jpg内湯2.jpg
露天1.jpg露天2.jpg
女湯からは婆さん軍団の嬌声が聞こえる。
後で聞いたら、ジャン妻は露天の湯船でウトウトしてたら、婆さん軍団の「ギャァハハハハハッ」の嬌声で目覚めたという。
大広間では食事後、一杯飲った爺さんどもが談笑している。
ロビーでも爺さん婆さんが寝ている。
まぁ古いし、くたびれてるし、オシャレで近代的なものを期待したらダメだよ。

だが、この宿にも、家族経営ならではのドラマがあった。割と近年の新聞記事が数枚、掲示してあって、私はそこに釘づけになった。
Sさんという女将さんが主役なんだけど、夫のHさんが東京で地質調査会社に就職し、日本中のダム建設現場を回ったところから始まる。
回っているうちに「温泉が出る場所」という目利きが磨かれる。
ポンプ.jpg1970年代後半、Hさんは東京にボーリング会社を設立し、倉渕ダム建設調査でこの地に来た。2億を越える年商の多くをここ倉渕村権田の温泉掘削に投じた。
掘削の根拠は、この地に流れる長井川の向かいの源泉櫓の下に、小さなお堂と薬師如来像があったからである。
「かつてここに温泉が湧き出て旅人を癒した証だ。絶対に出る」
掘削は650mか750m堀ったところで資金が底をついた。「もうちょっと掘って熱い源泉が欲しかった」そうだが、出たのである。
この辺り2ヘクタールの土地を購入し、1991年7月に温泉旅館をOPEN した。
だが、バブルがはじける。
雇って任せていたのだが、乱脈経営が発覚した。OPEN以来数年間、帳簿をチェックせず地元の人に女将を任せたのが失敗だった。
Sさんが登場する。SさんはHさんと結婚後、Hさんの経営するボーリング会社で経理を手伝っていたのだが、夫のHさんと子供(長男長女)を残して東京から現地へ来たら、借金が当時の金額で八千万円だった。
倒産するか。旅館を売って清算するかの選択を迫られるが、S女将は旅館経営を続行する。
最初は、東京の奥様に何ができるの?って言われたという。
「他にやる人もいなかったし。アタシがやるしかなかった」S女将の孤軍奮闘旅館経営が始まった。

長い拘束時間で生活環境が激変した。湯の管理、ボイラー管理や修理、接客と力仕事。。。
幸い、孤軍ではなくなる。東京で〇〇師をしていた長女がやって来た。
「母さん一人じゃ旅館経営は無理だよ。手伝う!!」職を辞して東京から倉渕に移ってきた。
大学生だった長男も毎週末に駆け付けた。亭主のHさん、長女、長男、一家が裏方で汗を流し、絶対に潰さない!!意志で切り盛りしていく。
「あの時期、家族一緒に過ごせたことが大きい」(長男)とのこと。

この家族宿が徐々に認知され知られて来る。草津に行く途中、ポツンと一軒あるあの温泉は何?みたいに。
サラリとした湯、二種類の源泉が再評判になり、地元の人々が利用するようになり、徐々に軌道に乗っていく。草津泉方面からの客が帰り湯、仕上げ湯で利用するようになった。
今は夫のHさんも会社を閉じて旅館に移って来た。まだ借金は残っているが、長女は県内で〇〇師に復帰したそうです。
露天3.jpg露天4.jpg
大看板.jpgまぁ若い男女にはおススメしないですよ。長寿の老人軍団が占拠してるような温泉だからね。

この日は土曜だった。
もしかしてフロントにいた洒落っ気のない女性は長女さんではないだろうか。

私らは初めての日帰り、立ち寄り湯でした。
宿のHPです。http://www.kurabuchionsen.com/spa.htm
コメント(12) 

コメント 12

ポルポ

ジャンさんおはようございます!
あ~ココって人気のない道の途中にポツンとある温泉じゃないですか?
以前に群馬在住の友人とココの前の道を通ったんですよ。友人はココのお湯が好きだって語ってました。。(ご長寿ではりませんが)
長寿の湯だけにおじいちゃんがいっぱいってのが笑えましたw

でも、さすがはジャンさんですね、ただ単に立ち寄りしたレポだけでなく、
その宿の生い立ちまで調べられて記事にされるとは、スゴイです!!
色々と苦労されてでも頑張っている温泉は応援したくなりますね。
ご長寿軍団に負けず、私も機会があったら立ち寄ってみたいです(^艸^)
by ポルポ (2012-07-08 09:53) 

ゆかりん

おはようございます。
もうすぐ温泉泊ですかねぇ~カッカッカ^^v

ジャンさんご夫婦なら昨年うちがクッションとして入れた、ぴのん絶対お料理口に合うと思います。
貸切温泉もあるし。フレンチとシノワーズで奥様を喜ばせてあげてくださいな☆
by ゆかりん (2012-07-08 10:40) 

みみん

さすがジャンさん、良い感じの温泉に行かれましたね!
檜の湯船が素晴らしいです(^0^)/
こういう地味で何も周りに無い宿って和みますね。
自然豊かで空気も美味しそうだし、食事も素朴で良い感じ♪
連泊して湯治してみたい宿ですね♪

そして湯だけではなく、ネタも豊富に拾って来るジャンさん、さすがですね〜(笑)。
ジャンさんの天職は実は記者かも知れませんよ(^^)
by みみん (2012-07-08 12:54) 

遠霞(とおがすみ)

やっぱり近くにいい温泉がありますね。源泉掛け流しで2種のお湯が楽しめるなんて。しかも内湯の湯船がひじょーに好みですし。羨ましい。
もっと足を伸ばせば(伸ばさなくても?)、絶対にいいお泊まり温泉宿があるはずだと思うのですが、、、
頑なに2宿に拘らず、転勤これ幸いと、いろんなお宿めぐりをブログにのせたらいいのになぁ~なんて勝手に思ってます。
ウチはまだまだ我慢。土曜日に仕事が入り続けていることが最大のネックです(泣)
by 遠霞(とおがすみ) (2012-07-08 16:39) 

船山史家

ポルポさんこの温泉ご存じでしたか。
長野原方面(その先は草津)へ向かう一本道の途中に堂々あるから、前の道を走った人って多いと思いますよ。

社宅マンションの風呂が小さいので、ジャン妻が「脚を伸ばして湯船に浸かりたい」って言うから行ったの。
途中の道すがら、私は拾い見したいものが沢山あったんだけど。小栗上野介斬首の地とか。えっ?そーいうのは要らないって?

倉渕温泉が好きな群馬在住の友人って婆さんですか?ポルポさんがこの温泉に入ったらが若さと美貌で俄然、注目の的になるは必定です。
私ですら、「何処のよそ者だ?」みたいにジロ見られたですからね。うっかり話しかけたら帰して貰えない雰囲気でしたよ。皆、地元の知り合いの爺さん婆さんばっかりなんでしょうな。

宿の生い立ちや苦労話はロビーに貼ってありました。湯に浸かってる時間より、その掲示物を眺めてる時間の方が長かったかも知れない。
by 船山史家 (2012-07-08 19:02) 

船山史家

ゆかりんさ~ん。
カッカッカ^^vじゃないのっ(笑)。マジでアタマ悩ませてんだから。
でも”ぴのん”はもちろんマークしていますよ。〇州牛のステーキとか美味そうだし。近いし(アタリマエか。)、平日休んで行って来るか、日曜泊しても月曜早い時間に復職できるし。
でもその前に。洋風旅館は伊豆のあの宿にリベンジしてからですね。
義理堅いんです私。
by 船山史家 (2012-07-08 19:37) 

船山史家

みみんさん。
内湯がおススメです。
周囲には何にもありません。ここから更に先に行ってみたい気もしましたが、雨足が強くなったので引き返しました。
倉渕温泉は日帰り客がメインだと思いますよ。

宿のネタは、どんな宿にも必ず歩んで来た道のりがあるワケでして、それが掲載に値する内容だったのと、ロビーで堂々掲示してあったので簡単に纏めました。
私の天職が記者ぁ?単なる野次馬かもですよ。
でも、ここに何があったのか、どういう経緯だったのかっていう疑問は常に持つようにしています。
知らない方がいいケースもありますよ。でもいい内容だと記事が厚くなるんですよね。
by 船山史家 (2012-07-08 19:55) 

船山史家

遠霞さん。
近く。。。でもないんですけどね。やはり自家源泉があるって最終的には強いんですね。しかも二種類ですから。でも絶対、内湯がおススメですよ。

夜の居酒屋探訪なんかは転勤これ幸いっていう気分なんですが、どうもまだ2宿に拘っていますね私。こういう尚文、いや、性分なんで。
草津は匂うから、伊香保か水上までなら検索してみますか。

じっと我慢の日々なんですか。
それはお気の毒に(笑)。何か忙しそうですね。転勤前だったら都内の居酒屋でちょっとだけ一杯っていう流れになったのに。
by 船山史家 (2012-07-08 20:01) 

じゅうべい

ここって「温泉旅館の立て直し計画」で出た旅館じゃないかしら?
お湯が良いから応援してくれるお客さんも多くて赤字が増えても辞めるに辞められなくなっていたところ、立て直し計画で、意識改革が成功した宿だったと思うんだけど(ちょっと変な日本語)もし違ってたらゴメン<m(__)m>

一軒で二種類の源泉って贅沢ねo(^O^*=*^O^)oワクワク
これは行かねばデス(^_-)-☆

史家さんの歴史好きなとこが少し解りかけたかな~~(*^m^)o==3プッ

by じゅうべい (2012-07-08 21:50) 

船山史家

十兵衛さんおはようございます。
温泉旅館立て直し計画か、貧乏脱出大作戦みたいなTVに取り上げられたことも掲示されていましたよ。
掲示されてた新聞記事を見ると、意識改革というより、潰さないっていう執念を感じました。
黒字に転換したのかどうかはわかりません。軌道が持ち直したのはやはり自家源泉があるからだと思います。しかも二種類ですから。

宿のHPを見るときれいに映ってますが実際はくたびれて雑然としています。でもそんなの気にしないで”湯”だけ堪能して下さい。日帰りで充分でしょう。500円、タオル200円、コインロッカー100円です。
by 船山史家 (2012-07-09 07:11) 

雨曇子

熊谷温泉さんも子供を連れて行っていますから、合格点でしょう。
立ち上げ秘話をよく記事にしてくれました。
船山さんエライ。
by 雨曇子 (2012-12-01 09:55) 

船山史家

雨曇子さん。
湯も良かったのですが、宿のドラマに着目してしまいました。
この温泉に至る途中に、小栗上野介にまつわるものが幾つか散見されるのですが、雨中だったので散策を断念したままになっています。
by 船山史家 (2012-12-01 11:08) 

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