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伊東甲子太郎 [人間ドラマ]

Yoko、雪子、肉子らの支店長、ミスターカロリーメイト氏が異動になり、後任は伊東甲子太郎というバリバリの改革派は本社の出向みたいな形でやって来た。
やや恐慌を来たしたYoko、雪子、肉子他スタッフ。戦々恐々としていた。
「やることが増えるよ~」
「口やかましく注意や指摘されるよ~」
「熱いよ~」
まだ来てもいないウチからビクビクしていたので、昨年末の忘年会&歓送会に伊東甲子太郎を呼んだのは私。

伊東甲子太郎は昨年、会社から会社への移籍で登場した。
甲子太郎の言い方、語り口調は選挙演説のアジテーションみたいで、熱く訴え、第三者、特に若手を巻き込み動かそうとする。
甲子太郎は正面から大上段で振りかざす。最初の支店長会議、己の自己紹介で堂々20分演説でデビューしたが、各支店長は度肝を抜かれて唖然となった。
「何なんですか彼は?」っていう声が上がった。
何なんですかって・・・俺に聞くなよ。彼に聞いてよ。まぁ今までにいないタイプだよな。
リポDのCMみたいなところもある。1年中毎日毎日エンジンフルスロットルみてぇな野郎です。

最初、俺には彼から接触してきた。
この時の最初の会談で甲子太郎はいろいろ熱く語ってた。俺は聞き役。社内でやりたいことが一杯あるってマグマで溢れてましたね。
私は「反対する理由はないが、いきなり劇薬を用いると副作用が強いよ。ヤバそうだったら止めるからね」って言った覚えがある。
彼も自分の自己紹介の時、「あっ、皆が引いたな」っていうのは感じたそうです。
「自分はあまり言わない方がいいですかね」
俺は「でももう会議で言っちゃったんだろ。だったらその路線で行くしかないんじゃないか」って煽ったの。
それとやたらと前の会社でのやり方を「前の会社ではこうやっています」って推奨するのが鼻に付くので、「それは前の会社の名前を出さず、アナタの意見として言いなさい」とも言った。

私は最初、甲子太郎の言いグサ、態度を見て、「この男は橙武者(ダイダイムシャ)ではないか」って疑ったのね。「伊東甲子太郎ではないか」って思ったです。信用できるのかなぁ、巻き込まれると面倒だなぁみたいに警戒した。

では史上のホンモノの伊東甲子太郎ってのはどんなキャラか。
京でハバ利かせてた新撰組に後から合流した大幹部。流暢な弁舌や当時の学説で隊士の人望を集めるが組は二派に分裂する。伊東と新撰組は攘夷で結ばれていたが、新撰組は佐幕派、伊東は勤皇倒幕路線で矛盾が生じて来たの。
“燃えよ剣”では、近藤勇や隊士の尊敬を集めるが、士方歳三は胡散臭く見てるみたいな設定になってる。
「伊東甲子太郎?何ちゅう比喩よ」(ジャン妻)
(最初、このキャラ名に反応して下さったのが、ヒロ兄さんとナワさんでした。さすがは。。。)

だがこの初回会談がきっかけで、私は彼に借りを作ったのです。
3年前に退職したある女性社員が、甲子太郎が転籍前にいた会社に私の口添えもあって就職したのだが。。。
先輩社員のイジメにあった。
教えようとしないんだと。俺が紹介した社員が自分の立ち位置を脅かす存在に見えたか、目障りだったんだと思う。
私に泣きが入ったので甲子太郎に話をした。「アナタは前の会社ではこうこうやっていますっていっつも言うけどさ、その自慢の前の会社で、俺が斡旋したもと社員が何をされてるか知ってるか?」ってぶつけたのよ。
甲子太郎は義憤に駆られたようです。自分も転籍して来た立場だからね。自分の前の会社のツテを頼って上層部に報告した。そしたら事態を重く見たらしく、本社から2名がそのイジメ社員の訓戒、戒告に乗り出し、「アナタが教える気がないならアナタを異動するぞ」って警告したんだと。
イジメた社員は泣きながら謝罪したそうです。
イジメられていた女性社員から私に感謝のメールが来たのだが、その一連の動きはかなり速攻だった。俺は甲子太郎に礼を言いましたよ。借りができたと思った。
処理済~ダラ会議の甲子太郎.jpg甲子太郎は改革派です。
俺は改革は苦手。面倒だし。誰かがやってくれってスタンス。
やっけ仕事の方が大好きなので、こういう改革をやるから手伝ってくれって言われないとやらないんです。
社内のダラ会議で、甲子太郎は私の考えも及ばないような改革案を言うのだが金がかかる内容が多く、上役はそれはすぐには無理だなってのがわかっていて彼に言わせている感じがする。
目標型かな。ジャン妻と一緒ですね。私は目標なんか嫌い。目的がいい。

甲子太郎は若手社員が辞める傾向を憂えている。
如何にして辞めるのに歯止めをかけるか。辞めさせないようにモチベーションを挙げるにはどうすればいいかを真剣に考えている。
俺も憂えてはいる。だが俺の結論は「最近の若ぇ者は辛抱が足りんからだ」、「最低でも3年はガマンしろ。3年経ってもまだ辛いんならウチの会社と合わないんだから辞めろ」で終わり。
甲子太郎は社員のモチベーションを上げるべく、与党内派閥みたいな様々な勉強会を立ち上げた。このチームは自己啓発の意味合いが大きく、その活動時間の手当てはない。代休にもならない。
参加するヤツは参加する。しないヤツはしない。どうも毎週のように会議、ミーティングが開催されてるらしいね。
俺ですか?俺はどの勉強会にも参加していないですよ。甲子太郎に勧誘は受けたけど私の上役が難色を示したの。若手の底上げが目的なので、俺が参加すると若手がビビって引いてしまうか引きずられるという変な理由だった。
何かのチームリーダーがやや疲れた表情で言う。
「大変ですよ」
「何が?」
「毎月、会議なんですよ。手当てはつかないし」
「経費も出ないのか?」
「あっ、それは出ます。でもお店閉めてからだから夜遅くなるんですよ」
「嫌なら脱けろ」
「いやぁ、そういうワケには。これって必用だし。誰かがやらなきゃならないし」
「だったらやれ」
俺にコボした支店長は若手リーダー候補。鉄は熱いウチに打たないと錆びる。会議終了後にチームで飲みに繰り出し、朝まで痛飲、熱く語り合えばいいのにって思うけど、最近の若者はそういうのってないのかね。
だがブツブツ言うそヤツの店に俺が応援に入った時のこと。そヤツは俺の見てる前で甲子太郎のグループ活動、何かの資料作成をやってたのにキレた。
甲子太郎にクレームつけたの。「俺をヘルプに呼んでおいて営業時間内に何のグループ活動をやってるんだアイツは?そんな余裕があるなら俺のヘルプは必要ないだろうがよ」って。
甲子太郎は、「えっ、〇〇さん(私のこと)をヘルプに呼んでおいて彼は営業時間内にそれやってたんですか。それはマズイですね。そういうのは営業時間外でやらないと」
今度はこの回答に俺が慌てた。営業時間外にやれってのを公然と公言しちゃったらマズイのよ。
だが、そういうチーム活動も必要なんだと。何か活動させないと飽きて辞めてしまうというんだな。

甲子太郎は何回目かの支店長会議で、「このシステムのマニュアル作成は△△支店の誰々にやらせたいと思っています」ってやっちゃったことがある。
会議でブチ揚げた以上は決定です。議事録にも載る。
だが、彼の口から出た誰々と、△△支店の長はそういう発表がされるのを事前に知らされていなかった。「聞いてません」って。
事前の根回しが全くなかったので俺は詰め寄った。発表前に関係者に根回しをしなかったのか、会議席上で発表しちゃったら決定じゃないかと。
甲子太郎は「もう言ってしまった。目的は同じなのでそこは理解して欲しい」みたいなこと言ってましたね。このプランは未だに実現していません。
コイツは典型的なB型なのがわかった。(B型の人ゴメンナサイ)甲子太郎は典型的なB型で、やりっ放し、言いっ放しに誤解されることも少なくない。
私は枝葉の裏をかなり気にするのでこれでも細やかな方なのよ。
「アンタと彼は目指すものは一緒なんじゃないの。アンタが彼(甲子太郎)の苦手な部分をフォローすればいいのでは?」(ジャン妻)
そうかも知れない。だがそうするのもシャクだったりする。俺の気分による。

前に社内BBQのネタを載せた。(※1)
このBBQに向かう車内で甲子太郎氏は、運転してたパートさんに延々、会社や社長のスバラしさをブチ上げパートさんはうんざりげんなり。
理解できたのかなそのパートさんは。甲子太郎が言う会社の素晴らしさなんてのは俺にとって全然素晴らしくも何ともないのだが、それを正社員に言うならともかく、週に数日勤務のパートさんにアピールしてどうすんだろうね。
このBBQで、一応、Yokoや雪子たちとの面識はあるのね。そしてついに正式な異動になったというわけ。

甲子太郎夫人はゴージャスな美人さんなんだけど、夫人がアリナミンVのドリンク10本を買った。
「誰が飲むんです?」ってレジにいた俺。
「彼です」と夫人。
彼ねぇ。
「ドリンクなんか必要ないだろう」
「彼、家ではぐったりしてるんですよ」
俺は驚いた。甲子太郎も人の子か、人間かよって。
「そりゃ自業自得だろうがよ。年柄年じゅうエンジンかけっ放しだからだよ。疲れない方がオカシイ」
「ええ。でも彼はねぇ、皆で、全員でやろう、頑張って行こうっていうタイプなんですよね」
それはわかっている。
だが集団社会だし誰もがそう思ってるとは限らん。俺は夫人に、「俺はぐったりしてるアイツなんか見たくねぇよ」って言った。伝わったでしょうね彼に。
どうもドリンクマニアらしく、前に載せた塚田農場の記事の支店で、甲子太郎が女性従業員全員に、リポD3000だかアリナミンVを配布してたのに驚いた。コラーゲンやBBドリンクならともかく、滋養強壮ドリンクを女性社員に配るかね普通。
「こんなの貰っちゃったよ~」って困ってたモン皆。「せっかく貰ったんだから飲めば?」って俺。

甲子太郎が異動前にいた支店に行って驚いたんだけど、店ん中を自から率先して磨き、スタッフにも手伝わせてピっカピカにしやがった。やたらとシンナー臭かったね。
「どうですか?」
「うぅ~、キレイ過ぎない?眩しいなぁ。シンナー臭ぇぞ。俺の唇、紫色してない?」
一体、何の薬品で磨いたのか。あのシンナーの臭いは何だったのか。
キレイにしたのはいいが、キレイ過ぎる水に魚は住まないだろう、もとの濁る田沼恋しきって思った。

甲子太郎は突然、「燃えてますか?」って言って来たりする。
俺は面食らう。藪から棒に何さ。
「俺は誰かが問題起こさないと燃えないよ。U子とかD子とか。普段はエンジン切るからさ」って逸らす。
「燃えてますか?」って正面から言われて「燃えてるゼ」って返したらアホだよ。
俺はそんな甲子太郎と昨年末の忘年会歓送迎会で初めて酒を酌み交わしたがかなり強かったね。でもウルサイ。話が長い。熱く語ってたよ。
その忘年会も呼ぶのをシブったヤツもいたんだけど、「忘年会には呼べよ。歓送迎会も兼ねるんだから。アイツが来なきゃ来ないでいい。でも声はかけろ。嫌でも来年は一緒にやるんだから」
いやぁ、大人でしょ。俺。
ところが連中、躊躇したのかどうか、声をかけたんだかかけなかったんだかうやむやで、結局俺が甲子太郎に直接電話して「参加してくれ」って言ったのよ。(皆子供なんですよ)そしたら感激してた甲子太郎は。

今、甲子太郎と俺は一応はリスペクトし合っているし、彼は俺をたててくれるがくすぐったくもある。
俺は甲子太郎が異動後、この店の改革プランを知っています。基本的には賛成した。今までの長だったカロリーメイト氏は温厚だが事なかれ主義みたいなとこがあったので一石を投じる意味でもいいでしょう。
「1人1人面談をします」って。Yokoも肉子もビクビクしてる。

ちょっとだけ懸念がある。
私はYokoや雪子たちの支店に週1日勤務してもう3年になるが、俺が勤務する日は週1日レディースデイで、俺は番犬役でもある。
カロリーメイト支店長が1月のシフトを組んだのを見たら、俺と甲子太郎が同じ曜日に入っていた。野郎2人は要らない。
「抜けるんですか?」(肉子)
「1月は入ってくれって言われたけど、でも同じ曜日に俺とアイツ、野郎2人は要らないと思うよ」
「ですよねぇ。でも○○さん(私のこと)がいるといつまでも皆が成長しないよ。いなきゃいないで爆発するかな~」(肉子)
「いた方がいいと思いますよ」(雪子)
アホ言ってたのはYokoで、「追い出されるんですか。だったら私も辞めます」
バカっ!!
俺にワサビ抜きの寿司を喰われた(※2)パートのKさんとIさんはカロリーメイト支店長に対してちょっと不満もあったので、「今より良くなるんじゃないの?」って概ね歓迎ムードです。パートさんは時間数少ないしね。大人でもある。
無断欠勤のT君(※3)、その相棒で遅刻魔のP子、「私をここに置いてください」のYuちゃん(※4)は若手なので甲子太郎を知っていて、多少の緊張はあってもアレルギーはないようです。

果たして俺はYokoや雪子、肉子たちの支店から離れることになるだろうか。いざ離れるとなると一つだけ俺も困ることがある。
「何が困るの?」(ジャン妻)
「ネタが減る」(俺)
[むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][パンチ]」(ジャン妻)

(※1)社内BBQの記事
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-3
(※2)ワサビ抜き事件の記事
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-04-10-2
(※3)無断欠勤の記事
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07
(※4)Yuちゃんの記事
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-04-10-3
カロリーメイト支店長の記事
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-06-03
俺は戦々恐々としてるスタッフに、「甲子太郎を巻き込んで利用しろ。味方につけろ」って煽ってるが、果たしてどんな新展開になるか。。。
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ナワ~ルド@峠おやじ

「燃えてますか?」って
猪木ちゃうやろ~って突っ込みたくなりますね。

根回しなしの会議発言ちゅうのは問題ありです。しかし過激な提案は根回ししてたら潰されますから確信犯かもしれません。ただお話を聞いていると天然キャラのようでもあります。

ま、諸刃の剣ですな。上手にお付き合いしてあげてください。
by ナワ~ルド@峠おやじ (2012-01-07 21:25) 

船山史家

ナワさん、甲子太郎に「燃えてますか?」って言われた時は面食らいました。逆にこっちは冷めちゃって。一緒になって熱くなってられんですワ。
決断力や対処能力は相当あるようですが、甲子太郎はいろんな若手にプランを投げつけて反応を見てるというか、試してるみたいですね。良く言えば発掘で、悪く言うなら値踏みしてるんですよ。
だが、声かけて相手が何も言って来なかったらもうそれっきりで細かいフォローがないのね。

「仕事もプライベートも充実させないと」っていうのもモットーらしいです。私は「休日は何をされてるんですか?」って訊かれた時には返事にツマりました。
まさかBlogの世界にいるなんて言えないし。

野郎の名誉の為に言うと、決して事なかれ主義ではないので。客からのクレーム電話なんかでも電話口で相当熱く語ってましたよ。周囲がハラハラするぐらいにね。
天然キャラか。そうかも知れない。そう思えると許せるかも。
by 船山史家 (2012-01-09 09:59) 

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