So-net無料ブログ作成

ド忘れU君とのプロミス [人間ドラマ]

もう30台後半になったU君(女性)は中堅社員です。独身。キャリアウーマン?
めっちゃ明るいんですがちょっと老け顔なんですよ。着る服に無頓着。洒落っ気が皆無な女性です。もうちょっときれいなカッコしろよっていつも思う。
嫁ぐ願望は強いようだが未だ縁がないようです。
このU君は、Z女史の支店で休日当番時に釣り銭の手提げ金庫が開かなくなった騒動の時に登場しています。彼女の機転で金庫は開いたんだけど。http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2011-05-15-1

アタマはいいし、言いたいことをハッキリ言うのと、誰とでも上手くやっていける協調性がウリなのだが・・・
忘れっぽい・・・。[たらーっ(汗)]
しょっちゅう忘れるんです私が指示したことを。大した内容じゃないんだけどとにかくよく忘れる。
指示した後でメールが来るんです。
「スミマセン、忘れましたっ」
「スミマセン、気づくの遅れましたっ」ってパターンが多い。
「さては夜寝る時に布団の中で思い出したんだろっ」
「ち、違いますよっ、帰りの電車の中で思い出しましたっ」
忘れっぽいってこたぁサッパリした性格なので、誰とでも上手く付き合っていけるってのは過去に嫌な思いをしても記憶に残らないんだと思う。
そうかと思うと、「今回は忘れたわけじゃないんですけどぉ、できなかったんですぅ。でもこれって言い訳ですよねぇ。スミマセェン」みたいなメールが来たりする。

U君は私が面接採用したのではない。U君を面接採用した人はもう社にいない女性です。その女性はU君を採用後に退職したのだが、その数ヶ月後だったかな。これまで一度も面識のないU君から突然私に直接電話がかかってきた。「お話したいことがあります」という。なんだろう。俺何かやったかな。

私はU君と、初対面でいきなり相談事をもちかけられるハメになった。この時はね。寿司屋に連れてったんです。最初が肝心とカッコつけたんだと思う。
U君の第一印象は、ちょっと老け顔だが明るく口が大きくよく笑う子で、笑う声が「ウヒャヒャヒャ」
何の話かと思いきや。
「私は面接してもらった時に約束があるんです。もともと応募した店舗は今いる店舗じゃなくてぇ・・・」
というんだな。
その時、U君が配属された支店はU君の地元だった。
「近いからいいじゃんか」
「地元はちょっとぉ。知ってる人もいるんでぇ」
「まさか地元にいずらいとか、何か事情でもあんのか?」
今でこそ“あんのか”みたいな口調だが、当時は初めてお会いしたこともあり、“何か事情がおありですか?”みたいな丁寧口調だったと思うよ。
「いえっ、そういうことじゃないんですけどっ。あまり近いと前の職場の人たちと会うのでやりにくいかな~」
何かあるんだな。まぁそれはいい。で、その約束だが。誰とそんな約束を?
「面接した方が、私が応募したその店舗は今は空きがないから、もし空きが出たら優先的に配属するって言ったんですっ。でもお辞めになっちゃって。じゃぁアタシとの約束は誰が引き継いでくれるのかな~って周囲に相談したら、〇〇さん(俺のこと)がいいんじゃないって」
誰だ俺の名前を出したのは。私は今でもU君を面接した人とは年賀状程度のやり取りはあるけど。U君とのそんな約束事は引き継いでいなかったんです。
だがそういう約束なら仕方がない。
「わかった。今すぐにってわけにはいかないけど。俺のアタマの片隅にでも記憶しておく。でも今の支店が嫌だってわけじゃないんだろ?」
「ハイ。嫌じゃないですぅ。皆さんトテモいい方ばっかりだし」
俺はU君に約束した。途端にU君は寿司をバカバカ喰いだした。明るい女性だが笑い方が品がないんですよね。今でもそうだけど「ウヒャヒャヒャ」みたいな笑い方なんですよ。
「あの時のお寿司美味しかったですっ」って今でも言ってますよ。
この時から私はU君の担当みたいになる。その間、あっちの店舗に行け、この店舗に行けってあちこち飛ばした。

1年半ぐらい経って、U君が当初、応募した支店に空きがでた。
しかも、支店長、管理者が退職したのである。私はU君との約束を果たすチャンス到来と思い「管理者、店長として異動せい」と。
「ええっ!!店長にぃっ!!アタシがぁっ!!」
だってもともと志望してたじゃないか。
「でもォ、でもォ、いきなり私が行って店長なんてぇっ」
「会社はただ希望を叶えるだけにはしないさ。行くからには責任を担ってもらうよ」
どうも管理者、責任者が嫌というか、向いてないって言い張るんです。そんなことないと思うこっちも必死です。U君はギャァギャァ言ってたが、異動先に、U君が前職で既に知っている“ある内容”があって、それが決め手になったのだが、不安そうに言ってましたね。
「管理者となるとぉ、話が違いますぅ」
「何を言ってやがる。これで入社時の志望が叶ったじゃねぇか。俺は約束守ったぞっ」
「それはわかりますけどぉ」
最初は嫌々支店長に就任したようだった。今日まで3年、店長としてつつがなく勤めている。どうも店長を嫌がった理由の一つに・・・
「Uさんは数字に弱いね」(ジャン妻)

私は約束を果たしたのでU君の担当からは離れた。ちょうど入れ替わりに新たに登場したZ女史の担当みたいになってしまい、Z女史の支店で金庫騒動の時にU君と初めて組んだ顛末はUpした通り。

この夏、来年以降に入社してくる新卒の求人サイトにOBの活躍ぶりをい載せることになった。これは一般人は見れないサイトなのだが、そこに現在の店長の写真、出身校、現在の役職、そしてアピール文章を載せるワケです。
誰をピックアップするか。
本社の会議、前に載せた通称“ダラ会議”の主要メンバーと相談した。「誰がいい?」「コイツはどうかな」って。
こういうネタの会議って、イヤラしい言い方だがピックアップされた連中のルックス、年齢とかを値踏みするんですよ。ビジュアル的にどうかなぁってのは確かにあるの。
だが店長クラスとなるとある程度の年齢はいっちゃってるんですよね。
調べてみたら20歳台はいなかった。50歳クラスは除外。30歳~40歳ぐらいがいいんですよ。だが30歳~だと産休予定者もいるので、消去法で消してったら、U君も候補者の一人に残ったのだ。
「U君は会って見れば明るいが、老け顔だからなぁ。Z女史じゃダメ?女史はプライド高いし、見られてることを意識するからアピール文章も上手だと思うけど」
俺も失礼な言い方だが、Z女史は却下されちゃった。年齢が高いと。それと女史は関西の大学出身なので、都内の学生求人にはアタリが弱いというのである。
じゃぁU君にしようと一決してその場で俺が電話した。「写真載せるぞ。学生さんが入社したくなるような原稿書いてくれ」って。U君は仰天した。
「ええっ、ええっ」
「何を素っ頓狂な声出しとるか」
「あァたァしィがァでェすゥかァ」
「写真もな」
嫌がると思いきや「写真はいいですけど。でもォ、今日だってェ、髪の毛バサバサですよォ」
「だから事前に依頼してるじゃんか。撮影当日はちゃんとキレイキレイして来いよっ」

(写真があっさりOKだったのは、U君は適齢期を過ぎつつあるので、見合い写真を撮り慣れてるからだと勝手に推測しています。U君の同年代の女性の産休が相次いでいるのだ。「アタシだった嫁に行きたいですっ。産休取りたいですっ」って言われたことあるモン。でもこれは別に私、U君に失礼な質問したわけじゃないですよ)

U君はまだ抵抗する。
「えぇ~。でも何でアタシが。他にいないんですか。確かに支店長クラスに20台の若い女性がいないってのはわかりますよ。でもアタシぃ?誰々さんと誰々さんがいるじゃないですかァ」
「誰々と誰々は産休予定者だからさ。来年の春にはいないんだよ」
「アタシだって産休取りたいですぅ」
何を言ってやがる。産休取るには亭主が必要だろうが。取れるものなら取ってみやがれと喉もとまで出かかったがさすがにそれは止めた。
時間もなかったので、具体的に名前を挙げ、誰々はトシだからダメだとか、誰々はルックスが悪いとか、本人が聞いたら怒り出しそうな理由を並べて無理くり承諾させようとした。
「君しかいない。頼む」
「うぅ~。わかりました」
だが・・・原稿書くのが苦手なんだと。
原稿の項目は、①自分がいる支店の特徴、自慢、②仕事の遣り甲斐、③心に残る「思い出のエピソード」、④目指すものや今後の抱負、⑤学生さんへのメッセージ。
「白紙で渡すわけじゃないんだから。①②③④⑤頼むぜ」

U君は、①②④⑤はスラスラ書き上げたらしい。
だが、③が書けないというんです。
「心に残る思い出ったってぇ。そんなのいちいち覚えてないですよぅ」というんだな。思い出を覚えてないだと。それは日頃っから忘れっぽいからだっ。
「〇〇さん書いてくださァぁい」
「俺が?ゴーストラーターかよ」
「そういうの得意じゃないですかぁ」
U君は俺が昔、社内報を書いていたのを知っている。
しゃーない。期限が迫っているというか今日が期限だったんです。下書きをしてあげました。サラサラっと。ものの2分ですよ。私はこういうの得意だからね。
こんな内容だった。
「私は最初の応募は今の支店だったんだけど、採用時の担当者に騙されて別の支店に配属されました。話が違うゾと思い、今もいる本社の管理職に「あの時の約束はどうなったんですか?」って直訴嘆願したんです。1年か1年半、他の支店で勤務してたら、ある日、店長をやる条件で今の支店、もともと志望だった支店に配属されました。
学生さんが自分の人生を決めるのは会社に入るところまでです。入社したら何処へ配属されるかは会社が決めます。でも、入社して実績を積めば、希望が叶う時もあるんです。」
みたいな文章。私は最後の2行を言いたかったのよ。
これを見たU君は
「でもこれってぇ、アタシの思い出というより、〇〇さん(私のこと)の思い出じゃないですかぁ」
そうかもしれない。
「文章が完全に〇〇節(ジャンキー節)じゃないですかぁ」
何をこのやろう。白紙の状態じゃ書けないっていうからだろうが。
「適当に添削して書き直しなさい。後は任せる。」

U君は下書きベースで書き上げた。
「これでいいですか」
届いた原稿、①②④⑤はともかく。③が気になってみてみたらU君なりにアレンジしてまとめてあった。

「途中入社の私は面接の段階で、ある程度は配属店舗を聞いていたのですが、入社してみると欠員が出た店舗に配属されることになりました。話が違うとも思いましたが、その店の雰囲気はとても良く、しばらくはその店舗で実務をこなしていました。その後何も触れられないまま長期になってきたので、不安に思い本社の担当の方に連絡を取りました。その方は親身に話を聞いてくれて、入社前から希望していた他店舗の兼務に付かせてもらいました」

この本社の方ってのは俺のことです。
“親身に話を聞いてくれて・・・”か・・・。
俺はこの箇所でちょっとだけ報われました。
続きます。

「入社前はいろいろと自分で選ぶことが出来ますが、入社したら基本的に会社の方針に沿って働かなければなりません。ただし、不安や不満があっても、きちんと実績を積むことで、周りの方は見てくれていますし、希望も叶うことがあります。今は思わぬ策謀で?管理○○師になってしまいましたが、ひとりではできないことも、つらくなることがあっても、周りの方に支えられながら何とか乗り切っています。」

よく書けてるじゃねぇか。
だが・・・策謀だとぅ?
「策謀とは何だっ。俺の策謀じゃねーかっ」
「だって、だってぇ、そうじゃないですかぁ」
「俺は約束は守ったぞっ」
俺の策謀にひっかかったお前が悪い。策謀という単語がそのまんま載るとは思えないが。
「いいと思う。要求先(人事部)に転送しといてくれ」

ところが翌週明けに人事部のサイト担当者から俺んトコに連絡が。U君の原稿だけまだ届かないというのである。
「アイツまた忘れたやがったなっ!!」
俺はU君に電話した。「また忘れただろ」
「あっスミマセン。もうできてますんですぐ送ります送りますっ」

俺はU君との約束は忘れなかったぞ。だが今でもU君は俺の言ったことをよく忘れる。そのU君の支店の飲み会に何故か私は呼ばれた。
「来て下さぁい」
韓国料理店。何故、俺が呼ばれたんだろう。今のU君の支店のメンバー半分とは特に親しくないのに。
また何か魂胆があるのかなぁ。
(2011.11.10追記 この続編はもうできています。飛騨シリーズ終了後にUp予定です。以下はその時の韓国料理)
ボンガの焼肉1.jpgボンガの焼肉2.jpg
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。